小学生が一般用のゴール(305cm)でレイアップを習得するには?
2025/10/16

全国ミニバス大会特別競技ルールがもたらす変化
2025年度の全国ミニバス大会から、特別競技ルールが導入されます。これまでの「ミニバス仕様」とは大きく異なり、以下の3点が変更されることになりました。
・3ポイントラインの新設
・ボールサイズの変更(5号球 → 6号球)
・リングの高さの変更(260cm → 305cm)
特に注目すべきは、リングの高さが「一般用」と同じ305cmに引き上げられる点です。
これまでの260cmに比べて45cmも高くなるため、子どもたちにとっては大きな壁となります。
さらに、ボールのサイズや重さも増すため、単純にジャンプ力や腕力だけでなく、効率的な動作や正しいシュートフォームが求められるようになります。
最初に習得したいのは「レイアップシュート」
一般用ゴールでプレーするにあたり、最初に身につけたいのが「レイアップシュート」です。レイアップはバスケットボールにおける“基本中の基本”であり、試合で最も多く使われるシュートの一つ。スピードに乗った状態でゴールにアタックし、確実に得点につなげるための技術です。 しかし、小学生がミニバス仕様から一般用ゴールに移行すると、多くの課題に直面します。シュートがリングの根元に当たってしまったり、バックボードに強くぶつかって外れたりするケースが増え、「あと少しで入るのに!」という悔しい体験をすることも少なくありません。 では、どうすれば子どもたちが305cmのゴールを克服し、レイアップを安定して決められるようになるのでしょうか。そのカギとなるのが「オーバーハンド」のレイアップの習得です。
なぜオーバーハンドなのか?
レイアップには大きく分けて「アンダーハンド」と「オーバーハンド」があります。初心者にはアンダーハンドから入るケースもありますが、一般用ゴールを目指す小学生には、オーバーハンドから練習することをおすすめします。その理由を整理すると次のようになります。
1. リリース位置が高く、届きやすい
オーバーハンドは頭の横、あるいは少し上からボールをリリースします。そのため、ゴールまでの距離が物理的に縮まり、リングに届く可能性が高まります。特に体格が小さい子どもにとっては、この「リリース位置の高さ」が大きなアドバンテージとなります。
2. 動作がコンパクトで安定する
アンダーハンドは大きく振り上げる動作が必要ですが、オーバーハンドはボールが体の近くを通るため、動作が小さくまとまります。その結果、狙った方向に力を伝えやすく、安定感が増します。ドリブルからピックアップしてシュートに移行する際も、両手でしっかりボールを保持できるため、速い展開の中でもコントロールを失いにくいのです。
3. フローターやパスに切り替えやすい
試合中、ディフェンスが予想以上に寄ってきた場合、シュートをやめてパスやフローターに切り替える判断が求められます。アンダーハンドでは一度シュート動作に入ると切り替えが難しいのに対し、オーバーハンドは直前まで選択肢を残せるため、応用力に優れています。
4. リバウンドチャンスを作りやすい
オーバーハンドのレイアップは自然と高い弧を描きます。外れてもボールが高く跳ねるため、オフェンスリバウンドのチャンスを生みやすい点も、試合で有利に働きます。
まとめ
2025年度からの特別競技ルールの採用は、子どもたちが新しい環境に合わせて技術をどう身につけていくかを考えるきっかけにもなります。 その中でもレイアップシュートは、試合の中で使う機会が最も多く、成功率も求められる基本的な技術です。ただ、リングが45cm高くなり、ボールも重くなることで、これまで通りの感覚ではうまく決まらない場面が増えてしまいます。 そこでポイントとなるのが「オーバーハンド」での習得です。リリース位置が高くなることでリングに届きやすくなり、動作もコンパクトで安定します。また、直前でフローターやパスに切り替えやすく、外れてもリバウンドにつながりやすいなど、実戦で役立つメリットが多くあります。 ミニバスから一般用ゴールに移行する時期には、アンダーハンドよりもオーバーハンドを優先して練習し、少しずつゴールの高さに慣れていくことが重要です。