全国ミニバス大会の特別競技ルールに備える -3ポイントシュートの分解練習-
2025/08/29

2025年度の全国ミニバス大会より、以下の特別競技ルールが採用されます。
・3ポイントラインの導入
・ボールサイズの変更(5号球から6号球)
・リングの高さの変更(260cmから305cm)
これにより選手たちは、従来よりも大きくて重いボールで、遠い距離から高いゴールへシュートすることが求められます。
本記事では、この特別競技ルールに対応するため、3ポイントシュートを段階的に身につける練習方法をご紹介します。
3ポイントシュートに必要な体の使い方を習得し、大会での得点力アップを目指しましょう。
ボールを遠くへ飛ばす感覚を養う練習
練習ポイント
- ・ボールを手のひら全体で持ち、アーチを描くようにボールを飛ばそう。
■飛距離と正確さを両立させる能力が重要
本記事の冒頭で「従来よりも大きくて重いボールで、遠い距離から高いゴールへシュートすることが求められる」と記載しました。ゲーム中に3Pシュートを決める為には、飛距離と正確さを両立させる必要性があります。
3ポイントシュートを打てるようになるには、まずは、ゴールまでボールを飛ばす力を養う事が重要です。そこで、3ポイントラインの外に立って、ボールを飛ばすことを主眼とした練習を行いましょう!
■ゴールまでボールを飛ばす力を高めるトレーニング
この練習では助走やジャンプ動作は入れずに腕の力だけでシュートを打ちます。
細かなコントロールは気にせずに、ボールを手のひら全体で持ち、手の平を通じて腕の力をボールに思い切りよく伝え、前に押し出す感覚でシュートを打ってみましょう。3Pシュートに苦戦している選手でも、想像以上にボールが飛ぶことを実感できるはずです。その力を、次のステップで正確性へと転換していきましょう。
慣れてきたら、アーチを描くようにボールを飛ばすように意識してみましょう!
コーチや保護者の方は、是非、腕の力をボールに伝え、思い切りよくボールを飛ばせているかどうかに着目してみてください。シュートが決まったかどうかは気にせずに、ボールが十分に飛んでいるかどうかに着目してみましょう。
身体の連動性を高めて軌道に高さを出す練習
練習ポイント
- ・ボールが床から上がってくる力を利用してシュートを打つように意識しよう。
■シュートの軌道に高さを出すためのトレーニング
3ポイントシュートを決める為のステップとして、飛距離に加えて、十分なアーチのあるシュートを放てる能力が必要となります。その為には、自分自身がジャンプする動作とボールを前に飛ばす動作の連動性が大切になります。
そのためにお勧めのドリルを紹介します。
ボールを頭の上にあげて、ジャンプをしながら床にボールを勢いよくたたきつけましょう。そのボールをシュートモーションでキャッチして、ボールが床から上がってくる反動を上手く利用し、3ポイントシュートを打つ練習を行ってみましょう!
この練習を何回か繰り返し行い、ジャンプ動作とボールを前に飛ばす動作を連動させる感覚をつかむことでボールに力を伝える能力の向上が見込めます。この練習を効果的に行うには、床から上がってくるボールのエネルギーをロスなくシュートに伝えることが重要です。キャッチした際にボールを下げず、スムーズにシュートリリースポイントまでボールを移動するように注意して行ってみてください!
身体の連動性を高めて飛距離を伸ばす練習
練習ポイント
- ・ジャンプとボールをリリースするタイミングの連動性を意識しよう。
■シュートの距離が伸びず、ボールがリングに届かない選手におすすめ
ジャンプのタイミングとボールをリリースするタイミングで苦戦している選手も多いと思います。ゲーム中には、DFの影響を受けて、自分のタイミングでは打ち切れないこともあります。まずは、DFの影響を受けない中で、効率的なタイミングを掴む為のお勧めの練習方法を紹介します。
コーチ役が選手の前に立ち、手を前に上げる。その出された手に向かって、選手はシュートモーションでボールを構えたまま、ジャンプをしながらボールを当てていきましょう。
選手はジャンプをしながら、2回、コーチ役の手にボールを当てます。ジャンプの力が最もスムーズにボールに伝わるよう、タイミングを見計らって、ボールをコーチ役の手に当てましょう。この動作を通じて、ジャンプとボールをリリースするタイミングの習得につながります。そして3回目は実際にシュートを打ってみましょう!
コーチ役の手にボールが勢いよく当たっている場合は、ジャンプの力をボールに伝えられていることになります。コーチや保護者の方は、是非、ジャンプ動作でボールをコーチ役の手に当てた場合の勢いも注意深くチェックしてみてください。
この動作を通じて、身体の連動性が高まり、ボールに力が伝わるようになることでシュートの距離が伸びていきます。
シュートモーションでのパス交換からシュートへつなげる練習
練習ポイント
- ・パスは、徐々に高さを出して最後にリングを狙おう。
■ゴール下の攻防が鍵
バスケットボールでは、インサイドとアウトサイドの得点の両方が大切です。3Pシュートが導入後も、ゴール下での得点能力が非常に重要です。ドライブイン等でゴール下での得点が伸びれば、DFはゴール下を止める必要性があります。相手チームのDFはゴール下を重点的に守る必要性が生じます。そこで、アウトサイドから正確にシュートを決める能力が重要です。従来でも、ゴール下とアウトサイドの攻防は存在していましたは、3Pルール導入後は、1.5倍の得点が与えらえます。これは非常に大きな変化です。
今まで以上にアウトサイドシュートを守る必要性が出てくることで、攻防が激しくなります。
■特にミニバス世代ではドライブ&キックアウトが重要
特にミニバス世代では、身長が大きい選手も、そうではない選手もドライブインでゴール下まで侵入する能力が重要になります。ドライブを守ろうとしてDFが密集した際に、的確にアウトサイドにパスを出すことを「ドライブ&キックアウト」と呼びます。DFはゴール下を守ろうとしている為、アウトサイドにシュートチャンスがあります。
ミニバスのみならず、U15カテゴリーに進学してからもキックアウトパスからの3Pシュートを正確に決め切る能力は非常に大切になります。
■実践に近いシュート練習
上記を念頭に、分解練習に慣れてきたら、実践に近いシュート練習をしてみよう。
パスを出す人はゴール下に立ち、シュートを打つ選手は3ポイントラインの外側に立ちます。4往復パスを行い、シュート役の選手は徐々にパスの高さを出していきましょう。
シュートを打つ選手は、シュートモーションでパス動作を行う。
■クイックモーションでシュートを打てる能力が重要
冒頭に記載した通り、「ドライブ&キックアウト」からの3Pシュートを決める能力は非常に大切です。実際のゲームでは、DFの影響を受けない為にも、クイックモーションで3Pシュートを打てる能力が重要になります。将来的に必要になる攻防を意識しながら、基本の練習に取り組みましょう!