「好きなことを続けよう。スポーツを続けよう」 ~Keep Playing プロジェクト競技横断座談会~ 『私たちが競技を続けている理由』

「好きなことを続けよう。スポーツを続けよう」 ~Keep Playing プロジェクト競技横断座談会~ 『私たちが競技を続けている理由』

「好きなことを続けよう。スポーツを続けよう」
~ Keep Playing プロジェクト競技横断座談会 ~ 
『私たちが競技を続けている理由』

【概要】
一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(以下Wリーグ、本部:東京都文京区、会長:河瀨直美)、公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(以下WEリーグ、本部:東京都文京区、チェア:髙田春奈)、一般社団法人 日本ハンドボールリーグ(以下JHL、本部:東京都新宿区、代表理事:葦原一正)と株式会社モルテン(本社:広島市西区、代表取締役社長:民秋清史)は、「Keep Playing プロジェクト」という、スポーツの競技継続を考える取り組みを2022年より開始しています。
プロジェクト初となる、競技を横断して取り組む活動として「競技横断座談会」を開催しました。2023年2月8日に東京都内にて、3競技の各リーグ2名 計6選手が参加。競技継続の現状や未来について話しました。

・参加者
Wリーグ 山梨クィーンビーズ 岡 萌乃
Wリーグ 東京羽田ヴィッキーズ 水野 菜穂
WEリーグ 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 黒沢 彩乃
WEリーグ ノジマステラ神奈川相模原 松原 有沙
JHL オムロンピンディーズ グレイ クレア フランシス
JHL プレステージ・インターナショナル アランマーレ 横嶋 彩
※横嶋選手のみオンライン参加
 司会 砂坂美紀(スポーツジャーナリスト)


【背景】
日本の女性スポーツ*の競技登録者数は高校を卒業後、大きく減少してしまいます。座談会の冒頭で、高校生から18歳以上になると競技登録者数はバスケットボール73%、サッカー36%、ハンドボールは82%も減少する現状を一同再確認し、以下各テーマについて話し合いました。
*2021年バスケットボール、サッカー、ハンドボールの女性競技登録者数を参照


■私たちが今でも競技を続けている理由

JHL 横嶋選手
「私は6人兄弟だったので、環境的に大学に行けないだろうなと思っていました。高校でもいい成績を残せていなかったのもあって、これ以上競技を続けられないかもしれないと思っていましたが、周りや家族の支えもあって進学できました。自分が好きなものの中でハンドボールを超えるものがなく、競技が楽しくて続けてきて今があります。」

参加された6選手のうち半数は、これまでに競技をやめてしまおうかと考えた経験がある中で、周囲のサポート、環境が競技継続に繋がってきた経験から、周囲のサポートや環境の体制づくりという今後の課題を共通認識しました。


■どうしたら女性プレイヤーが競技を継続できるのか

WEリーグ 松原選手
「体育授業の活性化はどうでしょうか。体育の授業は男女問わず、スポーツに関わることが出来る時間です。そこでの成功体験が増えれば、競技を始めるきっかけ、楽しむきっかけになるかもしれません。女の子は外で遊ぶ機会も少ないので、スポーツの魅力を再確認して続けたい気持ちになるではないかと思います。」

このような幼少期からスポーツの楽しさを根付かせるような案が出る一方で、結婚や出産後の競技継続への不安が議題に上がりました。

WEリーグ 黒沢選手
「結婚や出産、セカンドキャリアについて、明確なロールモデルが認知されていません。もっと発信が増えたほうがいいと思います。ロールモデルになるような人がいればそこを目指すことができると思います。」

それぞれのリーグで共通している課題として、結婚や出産している選手が少なく、セカンドキャリアの取り組みについても、情報が少ないということが挙げられます。今後の目標になる選手や引退後の生活などについて、周囲の選手たちへ情報発信を呼びかける必要性を認識する議論となりました。


■今後、競技を横断してやりたいこと

JHL グレイ選手
「テレビなどメディアへのコラボ出演も有効活用したいです。運動能力を競うような番組や、違うスポーツに挑戦する…など、楽しそうに取り組むことでアピールしたいですね。これから始めたい人や続けたい人へのメッセージにもなるかもしれない。各競技の魅力も伝えられると思います」

この他にも「この3競技でスポーツフェスティバルをして、子どもたちに各競技を体験してもらって魅力を伝えたい」「コラボグッズを作って、子どもたちの憧れになるようにしたい」など、今後の『Keep Playing』活動の更なる広がりを感じる議題となりました。

今後も、Keep Playing プロジェクトでは、どんな競技レベルやライフステージでも、スポーツの持つ魅力に惹きつけられ、仲間と出会い、プレイを楽しみ、続けて欲しいと考えています。今回の座談会で語り合ったメッセージが、多くのスポーツをする人・みる人・支える人に届くことで、興味・関心につなげ、スポーツを継続する環境がより良いものになることに繋がっていくことをこれからも目指していきます。


【参加選手コメント】
●Wリーグ 山梨クィーンビーズ 岡 萌乃
 こうして3競技で対談をすることで、様々な視点を自分の中に取り入れられたことが大きな学びでした。今後、ここからどう発展していくかが、どの競技でも課題になると思っています。この対談だけで終わらず、バスケットボールもハンドボールもサッカーも盛り上げていけるように選手として全うしていきたいですし、それが私たちに与えられた仕事だと思っています。
 なかなかこういう機会がないと、将来のことや生涯スポーツとしてバスケットボールを続けるためにはどうしていくべきか、引退した後や妊娠・出産を経験した後に競技を続けられるかを考える機会がなかったので、とても有意義な座談会になりました。これからロールモデルになる人が増えていけば、バスケットボールだけに限らず、他競技でもスポーツの在り方が変わっていくと思いました。
 今回は他競技の選手と知り合って、興味を持つ機会を頂いたので、今後は他の競技の観戦をしたいです。他競技とのコラボグッズを作る、ハーフタイムでPRする、他競技でスポーツフェスティバルを開くなど、色々意見が出てきたので取り組みたいです。そして、そういった取り組みを発信していくことが自分自身の役割でもあり、課題だと思うので、今後も発信していければと思っています。

●Wリーグ 東京羽田ヴィッキーズ 水野 菜穂
 なかなか他の競技の方とお話しする機会が今までなかったので、個人的にすごくいい機会になったと思っています。競技によって違うところもありますし、似たような考えを持っているところもあったので、知ることができてすごく貴重な機会になりました。
 今まで、なかなか他競技の方と意見を交換したり、交流する機会もなかったので、これからもKeep Playing プロジェクトの活動を広げていきたいです。自分でもできることを探してやっていきたいなと思いました。
 バスケットボールは、高校から大学に上がる時に辞めてしまう人がとても多いというのを、今回初めて知りびっくりしました。そして、同じような問題を他のスポーツも抱えているのも驚きでした。やっぱり、女子スポーツがもっとメジャーなものになるためには、いろんなことが必要になってくると思います。今回のように、競技を超えて協力するのも大事なことだと感じていますし、自分たちがトップアスリートとして競技の楽しさや魅力を伝えていくのも一つの方法なのかなと思います。子どもたちや、いろんな世代の方にスポーツの楽しさを知ってもらうための活動を今後も継続しつつ、他競技との交流も続けて、活動の普及を行うことができればと思います。

●WEリーグ 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 黒沢 彩乃
 今回、バスケットボールや、ハンドボール、サッカーの選手の話を聞いていて感じたことは それぞれスポーツで違う課題もありますが、女子アスリートとして共通の悩みや思いを持っていることです。普段から感じていることと変わらない部分もあって、「悩んでいるのは、私ひとりだけじゃないんだ!」と思うこともあって嬉しかったですし、学びにもなりました。
 高校卒業のタイミングでサッカーだけでなく女子バスケットボールや女子ハンドボールのほうが辞めてしまう人が多いというのは、今回初めて知りました。他の競技でも同じ悩みを抱えているので、解決法も一緒に考えることができました。
 今回のKeep Playing プロジェクトの座談会で知り合った選手たちを応援したいので、今後は観戦に行きたいと思っています。

●WEリーグ ノジマステラ神奈川相模原 松原 有沙
 今回はこうして違う競技の女性アスリートの方とお話をして、新たな発見ができましたしこれを機会に色々な輪が広がっていけばいいなと思っています。やはり、どのスポーツでも課題はあって、女性ならではの課題も本当にあるんだなと改めて感じました。今回はトップリーグのアスリート同士の座談会でしたが、トップレベルではなくてもスポーツを楽しくやっている方々ともこういうことができるとまた違うのかなと感じました。
 他競技の方と関われるのはいい機会だと思いました。Keep Playing プロジェクトの活動を多くの人に知ってもらい、私たちだけではなくて、いろんな人も巻き込んでやっていけたらなと思いました。

●JHL プレステージ・インターナショナル アランマーレ 横嶋 彩
 これまで他競技の様々な年代の方とお話しすることはなかったんですけど、今回のKeep Playing プロジェクトの座談会で話をすることができて、考えの幅が広がってすごく充実した会になりました。
 私が大事にしている「楽しむ」というところでは、共感する部分がすごくありました。そして、環境を整えるという部分ではどの競技でもまだ改善するところがあると感じました。
 もっと他競技の試合を見に行く機会を増やしたいなと思っています。私も競技をしている中で、自分が楽しむことももちろんですが、見に来てくださった方々に何かを与えられるようなプレイが出来ればいいなと思いました。

●JHL オムロンピンディーズ グレイ クレア フランシス
 今回、このように他競技の方々と一緒に話し合う場を設けてもらって、自分に今までなかった視点から物事を考えることができました。ハンドボールのリーグはまだプロではないので、プロ選手として活動されている方の意見を聞いて、2024年にハンドボールもプロ化される予定なのでそれまでの良い材料になったと思います。
 Keep Playing プロジェクトの座談会では、女子スポーツの競技人口が高校生以降で減っていることについて考えました。競技を続けるベースに「楽しむ」ことが一番大事なんだな、と再確認することが出来ました。私が所属しているオムロンピンディーズは、(熊本県)山鹿市内の小学校を巡回してハンドボール教室を行なう活動をしています。そういった活動を通して、子どもたちにハンドボールの楽しさや魅力を伝える機会をもっともっと多くして、子どもたちに成功体験をさせることで「ハンドボールは魅力的で楽しいスポーツ」だということを伝えたいです。そうすることで、高校生以降も大学で、さらには日本リーグで将来プレイする選手が増えるといいなと思います。今後も、ハンドボール教室や講習会などの取り組みなどをしていきたいです。



Keep Playingプロジェクトについて

日本における女性スポーツ*の競技登録者数は高校を卒業後、大きく減少してしまいます。どんな競技レベルやライフステージでも、スポーツの持つ魅力に惹きつけられ、仲間と出会い、プレイを楽しみ、続けて欲しいと考えています。このメッセージが多くのスポーツをする人・みる人・支える人に届くことで、興味・関心につなげ、スポーツを継続する環境がより良いものになることに繋がっていくことを目指しています。
2022年3月にWリーグとの取り組みを開始、2022年12月よりWリーグ、WEリーグ、JHLの競技横断で活動を開始いたしました。

https://www.wjbl.org/static/topics/23rd_pdf/20220302_HP_International_Womens_Day.pdf


*2021年バスケットボール、サッカー、ハンドボールの女性競技登録者数を参照
高校生から18歳以上になると競技登録者数はバスケットボール73%、サッカー36%、ハンドボール82%減少。

 

 

Wリーグについて

日本の女子バスケットボールの国内最高峰リーグとして1999年発足。リーグ戦等を通して、女子バスケットボールをより魅力的なスポーツに育み、広く国民に《普及》し、楽しめるスポーツとして地域スポーツ振興に寄与し、選手の技術向上、チーム《強化》に努め、観る人に感動を与えると共に世界に通用する代表チームの編成に寄与し、女子バスケットボールを内外にアピールするために各種事業を行っています。
URL:https://www.wjbl.org

 

WEリーグについて

2021年9月に開幕した日本初の女子プロサッカーリーグ。「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」をリーグ理念に掲げています。名称のWEリーグは「Women Empowerment League」の略称で、日本に女子プロサッカー選手という職業が確立され、リーグを核に関わるわたしたちみんな(WE)が主人公となる社会を目指す、という思いが込められています。
URL:https://weleague.jp/

 

JHLについて

日本ハンドボールリーグ(JHL)は1976年より国内トップリーグとして発足。現在は男子12チーム、女子11チームが所属しています。JHLでは、サステナブルな環境を構築することにより、日本ハンドボールの競技水準の向上、ハンドボールの普及および事業発展を目指し、豊かな日本スポーツ文化の確立、そして、社会連携、国際交流に寄与することを目的とし事業運営を行っています。
URL:https://japanhandballleague.jp/

 

モルテンについて

スポーツ用品メーカーのモルテンは、1958年よりバスケットボール、ハンドボール、サッカー、バレーボールなどの競技用ボールの製造と販売を行い、決して妥協することない品質を維持しています。モルテンは世界中のトップリーグやチーム、国際大会で使用される公式試合球やスポーツエキップメントなどの革新的製品を生み出し、グローバル・スタンダードとしての品質を高め続けています。
詳細については、弊社サイトを参照ください。

URL:www.molten.co.jp